オーストラリア、ケアンズでの私のフリーランスウェディングプランナーとしての人生

自分が何者か分からなかった過去
未来がしっかりと定まっている人にはない悩みかもしれませんが、私は長い間「自分は何者なのか」「何をしたいのか」「何ができるのか」が分かりませんでした。
アメリカの大学に留学しながら日本の大学を卒業し、その後それなりの会社に就職したものの、心のどこかで人生にもっと違うものを求めていました。
そして私はオーストラリアへ。
日本での自動車関係の仕事とはまったく違う、ツアーガイドや観光業の仕事を始めました。
旅行会社JTBさんの制服着ている私(25年くらい前)

人とつながる楽しさを感じつつ、もちろん楽しいだけではなく、伝えたいことが伝わらないもどかしさやコミュニケーションの難しさも経験しました。
ウェディング業界に入ったきっかけ
その後ご縁があって教育関係の仕事をしながら、ウェディング業界に足を踏み入れました。
最初は「自分に向いているのか?」「これが天職なのか?」と疑問を持ちながら、ただがむしゃらに仕事をこなす日々。
大手ウェディング会社では、効率化のために役割が分業化されていました。カウンセリング担当、現地打ち合わせ担当、挙式アテンド担当、衣装担当…。
まるでベルトコンベアのように次から次へとお客様が流れていき、それぞれの場面で担当者が入れ替わるシステムです。
もちろん、それは大手だからこそ必要な仕組みであり、否定するつもりはありません。むしろ正しい形の一つだと思います。
ですが、私は「一部だけではなく、すべてに関わりたい」と強く思うようになりました。
お客様の人生の大切な時間を共有し、人とのつながりを大切にしたい。そう考えた結果、私はフリーランスウェディングプランナーとして独立しました。
フリーランスとしての葛藤と答え
フリーランスになったからといって、明確な正解があるわけではありません。
「これが正しい」「これが成功」などの物差しはなく、お客様の「楽しかった」「最高だった」という言葉や笑顔が唯一の答え。


人の感情という曖昧なものを相手にする仕事だからこそ、難しさもあります。ですが、その分「正解を探す」達成感はとても大きいのです。
最近、改めて気づきました。
私はやはり「人とのつながり」を求めているということを。
ケアンズで挙式をされたカップルが、のちに子どもと一緒に訪ねてきてくれる――。その瞬間に感じる喜びは、数字では表せない「目に見えない成功」なのです。
自分の役割を見つけるということ
これまで私は「この仕事に向いているのか」「ほかにできることがあるのでは」と迷ったこともありました。
ですが、お客様の言葉や笑顔によって「今の私でいいんだ」と自分を認めることができるようになりました。
努力している人は外からはそう見えなくても、実際には多くの苦労をしているものです。私もその一人です。
それでも、一歩ずつ、目の前のことを丁寧に大切にこなしていくうちに、自分の役割や求めているものが少しずつ見えてきます。
あなたにとっての「目の前の大切なやるべきこと」は何ですか?
私は、カップルの皆さまから日々多くのことを学ばせていただいています。
本当にありがとうございます。