オーストラリアでコアラ抱っこフォトウェディング

コアラ抱っこについて
〜可愛さと現実、その間で思うこと〜
オーストラリアと言えば、コアラ。
その愛らしい姿に「一度は抱っこしてみたい!」と思う方も多いはず。特に一生に一度のフォトウェディングなら、そんな夢を叶えたいと思うのも自然なことだと思います。

でも実は、コアラを抱っこすること自体が、今のオーストラリアでは簡単ではなくなってきているのをご存じでしょうか?
コアラ抱っこが制限されてきた理由
何年か前から、動物福祉団体を中心に「コアラを抱っこすることはストレスになる」という意見が強くなり、オーストラリア各地で抱っこの機会が制限されてきました。
そんな中でも、ここケアンズは比較的コアラを抱っこできる場所が残っているエリアの一つでした。
しかし最近はここでもその数が減ってきており、コアラ抱っこができる場所は非常に限られた貴重な体験になっています。
「せっかくオーストラリアに来たからこそ、コアラ抱っこをしてみたい!」
これは本当によく聞くお客様の声です。
だって、やっぱりコアラは可愛いんです。
私自身、何百回とコアラに会っていますが、何度見ても、何度触れても、本当に癒されます。
ふかふかで、柔らかくて、匂いもなくて…まるでぬいぐるみのよう。
「このまま連れて帰りたい…」と思ってしまうくらい、魅力的な存在です。
SNSに投稿したら…
ところが、そんな可愛いコアラとのフォトウェディングの様子をSNSにアップすると、思いがけない反応が返ってくることがあります。
「動物にストレスを与えて可哀想」
「虐待だ」
やはりネガティブなコメントが一つでも届くと、投稿を削除します。
本当は、現場でどれだけ配慮されているか、どんなに短時間で、優しく、安全に行われているか、
そして何よりも、お客様の喜びとコアラの穏やかな表情を伝えたいのに…。
SNSの一方的な反応を前に、なかなかその発信ができずにいるのが、今の正直な気持ちです。
実はとても厳しく管理されているコアラ抱っこ
誤解されがちですが、実際にコアラを抱っこできる動物園では、非常に厳密なルールのもとで行われています。
- 一日に抱っこできる時間は決まっている
- しっかりとした休憩時間が与えられている
- 担当スタッフによる健康チェックが毎日行われている
こういったプロフェッショナルな管理の中で、コアラと人の触れ合いが実現しているのです。
もちろん、コアラ自身の個体差によっては、そもそも抱っこNGな子もいます。
決して「誰でも、いつでも、何時間でも抱っこできる」わけではありません。
動物とのふれあいはすべて「虐待」なのか?
正直に言うと、私は動物の専門家ではありません。
でも時々、こんな疑問が浮かびます。
たとえば、象やラクダに乗る体験。
サーカスのように動物が芸をすること。
これらも「動物虐待」だと考える人は少なくないでしょう。
では、動物園や水族館での飼育はどうでしょうか?
本来の自然環境とは異なる場所で、限られた空間の中で暮らす動物たち。
どんなに環境を整えていても、やはり多少のストレスはあるのではないかと、私は思ってしまいます。
大切なのは、知ること、考えること、選ぶこと
どれが正解で、どれが間違いなのか。
その線引きはなく、どの意見も正解で、不正解はありません。
でも私は、一方的な感情だけで「これは悪」「これはダメ」と決めつけることには、少し違和感を覚えます。
大切なのは、
- 現場でどんな配慮がされているのか
- 動物たちがどんな扱いを受けているのか
- そしてそれを知った上で、自分はどう思うのか
そんな風に、知って、考えて、自分なりの選択をしていくことなのではないかと思います。
私は、現地で見てきたリアルなコアラたちの姿を、
できるだけ正直に、偏りなく、皆さんにお伝えしたい。
そう願いながら、これからも発信していきたいと思っています。

最後に:大切なのは思いやりとバランス
私は「コアラ抱っこ=悪」とは思っていません。
でも、当然ながら動物への配慮が最優先です。
だからこそ、丁寧に管理された環境の中で、コアラとの一瞬のふれあいを大切にしたいのです。
一生に一度のウェディングフォト、そして、かわいくて愛しいコアラとの出会いが、
どうか素敵な思い出になりますように。